推しの育て方を間違えたようです~推し活に勤しんでいたら、年下王子の執着に気づけなかった~
全部嘘だけども。実際問題、公爵家ともなると家格の合う友達というのはあまりいない。ミレイナと仲良くなろうとしてくれている同年代の子はいたが、みんな親に言われてというのがほとんどだ。
それを口実に友達がほしいとおねだりしたのは事実。ミレイナの兄が第一王子と仲がいいことを挙げ連ね、ミレイナは第三王子であるセドリックとの縁をつないだ。
幼いころセドリックに友達がいないことを王妃が嘆いていたというのは、原作にあった情報だ。頭がいいせいで同年代の子どもと話が合わないのだろう。
セドリックに追い返されたと言っても、両親はおそらくそこまでがっかりはしない。けれど、ミレイナの中にある前世の部分が落胆することは間違いなかった。
前世の部分が落胆するということは、ミレイナ自身が落ち込むことと同意だ。
ミレイナはセドリックの手を握り締める。
「わたくしを助けると思って、一日一時間だけでもいいのです!」
「……なんで僕がそんな面倒なこと」
「お願いします。部屋の隅に置いておいてくれるだけでもかまいませんから」
ミレイナは瞳を潤ませる。両親におねだりするときに使う常套手段だ。
それを口実に友達がほしいとおねだりしたのは事実。ミレイナの兄が第一王子と仲がいいことを挙げ連ね、ミレイナは第三王子であるセドリックとの縁をつないだ。
幼いころセドリックに友達がいないことを王妃が嘆いていたというのは、原作にあった情報だ。頭がいいせいで同年代の子どもと話が合わないのだろう。
セドリックに追い返されたと言っても、両親はおそらくそこまでがっかりはしない。けれど、ミレイナの中にある前世の部分が落胆することは間違いなかった。
前世の部分が落胆するということは、ミレイナ自身が落ち込むことと同意だ。
ミレイナはセドリックの手を握り締める。
「わたくしを助けると思って、一日一時間だけでもいいのです!」
「……なんで僕がそんな面倒なこと」
「お願いします。部屋の隅に置いておいてくれるだけでもかまいませんから」
ミレイナは瞳を潤ませる。両親におねだりするときに使う常套手段だ。