【書籍化決定】推しの育て方を間違えたようです~第三王子に溺愛されるのはモブ令嬢!?~
つい、うっとりと手を取りそうになって、ミレイナは慌てて手を止めた。
「わたくし、ダンスは下手よ? うまい人に頼んだほうがいいのではなくて?」
「その辺の令嬢がみんな上手ならそうするけど、そうじゃないだろ? ミレイナくらい下手なほうがちょうどいい」
「なんだか複雑な気分。昔よりは少しはうまくなったのよ?」
もう相手の脛は蹴らないと思う。
昔はよく兄の脛を蹴って青あざを作り、笑いのネタとして食卓に上がったものだ。ネタになっても仕方ないと思うほど、兄の脛は一時期ひどかったから仕方ない。
最近は時々足を踏んでしまうくらいまでには上達した。
体力は相変わらずないから二、三曲も踊ればヘトヘトになってしまうけれど。
「ふーん。だったら、失敗したら罰ゲームをしよう」
「罰ゲーム?」
「そう。罰ゲームがあったほうがお互い真剣になるだろ?」
「そうかもしれないわね」
「じゃあ、決まりだ。ミレイナが僕の脛を蹴ったら、罰ゲームでミレイナから僕にキスして」
セドリックはミレイナの耳元で囁いた。言葉の意味を理解して顔にカッと熱が昇る。
「キ、キスって……!」
「わたくし、ダンスは下手よ? うまい人に頼んだほうがいいのではなくて?」
「その辺の令嬢がみんな上手ならそうするけど、そうじゃないだろ? ミレイナくらい下手なほうがちょうどいい」
「なんだか複雑な気分。昔よりは少しはうまくなったのよ?」
もう相手の脛は蹴らないと思う。
昔はよく兄の脛を蹴って青あざを作り、笑いのネタとして食卓に上がったものだ。ネタになっても仕方ないと思うほど、兄の脛は一時期ひどかったから仕方ない。
最近は時々足を踏んでしまうくらいまでには上達した。
体力は相変わらずないから二、三曲も踊ればヘトヘトになってしまうけれど。
「ふーん。だったら、失敗したら罰ゲームをしよう」
「罰ゲーム?」
「そう。罰ゲームがあったほうがお互い真剣になるだろ?」
「そうかもしれないわね」
「じゃあ、決まりだ。ミレイナが僕の脛を蹴ったら、罰ゲームでミレイナから僕にキスして」
セドリックはミレイナの耳元で囁いた。言葉の意味を理解して顔にカッと熱が昇る。
「キ、キスって……!」