快晴の空に君の笑顔を探す
「行こうぜ」
「おー、朱里、澪音!行くぞ!」

大輝からの呼び掛けに、顔を上げると、教室のドアの前で既にリュックを背負った2人が立っていた。

「あっ、待って」

私はほとんど空っぽのリュックを背負い、その集団に交わる。
朱里も同時に駆けてきて、私たちは4人で教室を出た。

「駅前のファミレスでいいよな?」

少し前から聞こえる旭陽の声は新鮮だった。
こんな風に同じ輪で過ごすことなんて、本当に久しぶりで、落ち着かない。

「いーね、普通に腹減ったー!」
「ばか、遊びに行くんじゃないんだからね」

朱里が大輝の肩を割と強い力で叩くのが見えて苦笑する。

委員が確定してから初めての月曜日。
全部活が共通して休みの月曜日を利用して、私たちは記念すべき1回目の文化祭委員の会議を開催していた。

と言っても、公式ではないのでファミレスでラフに話し合うだけ。

結局初めの30分程はほとんど雑談をしていて、始まったのは、旭陽と大輝が1食食べ終えた後だった。

「3年生は、劇ってことは確定してるから、いくつか台本の候補を用意したいんだよね」

ネットに上がっている台本でも、映画のオマージュでも、完全オリジナルでも、なんでも認められているからこそ難しい。

クラスの皆にも一応案を考えてもらっているけど、ある程度用意していた方がいいだろうとの考えに纏まって、今日はそのために集まっていた。
< 15 / 86 >

この作品をシェア

pagetop