快晴の空に君の笑顔を探す
劇の内容は圧倒的な多数決で、私たちが提案したシンデレラの劇に決まった。

早く終わったホームルームに、クラスメイトが帰っていく中、私たち4人は教卓に集まって、自然と話し合いを始めていた。

「無事決まってよかったな」
「うん!今日のうちに次からの予定だけ決めちゃいたいね」

内容が決まって、具体的な計画が立てられる状況になったのだけれど、何となく話がまとまらない。

というか、気が抜けて頭が回らなくなっていただけなのだけれど。

通常運転で数分間の雑談の後、とりあえず決めないとと焦った私は、黒板を振り返ってチョークを手に取った。

「とりあえず、最終日までの日数を考えよう」

ぐーっと勢いよく長い横線を引くのはなんだか気持ちが良かった。
こんな小さな経験も貴重な初めてだ。

線の右端に今日の日付。
左端には文化祭当日の5月31日と記載して振り返る。

「えーっと、何をやらなきゃいけないんだっけ?」

話しながら頭を整理するタイプの朱里は、私の黒板を見てぶつぶつと呟き始めた。

やらないといけないこと、かぁ。

私も釣られて頭の中で想像する。
はっきりと見えない計画に困っていると、旭陽が立ち上がり私の隣に立った。

「こういうのは、逆算したらいいんだよ。とりあえず余裕もってこの週末までには形にしたい。ってことは?」

「この週は全部リハに使いたいな」
「だと、制作はここまでだよね」
「でいくと、優先順位は……」

旭陽の問いかけを取っ掛りにして、次々と予定が整理されていく。

「おっけ、キャストはここまでで、大道具は……」

私たちが口にする言葉を、スラスラと表に書き加えて行く様子は頼りがいがあって、かっこよかった。
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