快晴の空に君の笑顔を探す
「私ね、本当は旭陽と仲直りがしたくて。昔みたいに一緒に過ごしたいと思ってたの」

大好きで信頼できる最高の幼なじみである旭陽に、隠し事はなかった。
思ったことをそのままに、気楽に伝えられていた過去を思い出し、私は口角を上げる。

旭陽は足を止め「なんだそれ」と呟いた。

その呟きに、小さな温かさを感じた私。
4月初めの旭陽からは感じ取れなかった心の一部を読み取れて、嬉しくなる。

「別に、喧嘩してねーだろ」

暫くして旭陽の口から飛び出したのは、言い訳をするような物言いで。私は思わず、口を開いた。

「したよ!旭陽が突然「一緒にいたくない」って!覚えてないの?」

私はその言葉に酷く傷ついて。
あの日に、恋心が一瞬で散る、あまりにも空虚な気持ちを知ったのだ。

「は?そんなこと言ってねーよ」
「言ったもん!酷い!私それ気にしてたんだよ!?」

否定する旭陽にショックを受け、立ち止まってしまう私。

だって、あれ以来話せずに、私は入院して。
そして、あと数ヶ月しかない今やっと話せるようになったんだよ?

違うんだとしたら、こんな最悪な時間の過ごし方、勿体なすぎるよ……。
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