快晴の空に君の笑顔を探す
「ちょっとなにやってんの?」

外から見ていた女の子が、笑いながら声をかける。

一際大きな笑い声を上げてはしゃいでいた旭陽は、その女の子にも変わらない笑顔を向けた。

「こいつが変なペン持っててさ、見てみろよ」

差し出された筆箱を受け取り、疑いもせず蓋を開けた女の子は、「きゃっ」と可愛らしい悲鳴をあげて筆箱を机に落とした。

筆箱の中には、きっと先程のムカデのレプリカが仕組まれていたのだろう。見えないけれど。

「偽物でしたあ〜!」

意地悪をした後とは思えない楽しそうで邪気のない笑顔。私は思わず視線を奪われる。

クラスの中心にふさわしい輝かしい笑顔を向けられた女の子は、もちろん怒るわけなんてない。

寧ろどこか嬉しそうに声を明るくして、わざとらしく頬を膨らませた。

「もーっ!ほんっとくだらない!ばかっ!」

可愛らしくそう言って、旭陽の肩を叩く。

私は、机に肘をついて親しそうなその様子を伺っていた。
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