快晴の空に君の笑顔を探す

#7 初恋の気持ち

文化祭の準備も佳境を迎えた5月下旬。
私は放課後の準備時間を抜けて、病院へ来ていた。

「お薬は効いてますか?」
「はい、おかげさまで、毎日楽しく過ごせてます」

小学4年生からお世話になっている主治医の先生と、決まったやりとりをする。

薬の量が適切かどうか、痛みはコントロール出来ているのか、そんな会話をして薬をもらって帰るだけの通院は、意味が無いようで私の日常を守る何より大切な時間だった。

痛ければどんどん増やしていいと言われていた薬は、どうやら、麻薬の一種らしい。

自分で調べてしまって、飲み続けることで現れるであろう、副作用についても知って。

それからすぐの私は、怖くてたまらなくなった。
薬を強くすることに恐怖を覚え、誤魔化して飲むようにしていたときがあったほど。

だけど、その時はすぐに耐えられない痛みに襲われた。
それこそ、自分の体の勝手が効かず、自由に動くことも出来ないほど、身体中を激痛が襲った。

学校に通えていても、余命宣告をされた身。

薬の用量も何度か変更されて、痛みのコントロールがされているだけなのだ。
私は、この薬のおかげで、平穏な日々が守られている。

「文化祭、先生も来てください!私クラス委員になって、頑張っているので!」

週末に迫った文化祭のチケットを先生に渡す。

先生は、私の笑顔を見て、安心したように優しくチケットを受け取ってくれた。
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