快晴の空に君の笑顔を探す
また痩せた?前はそんなサボるようなタイプじゃなかっただろ?
澪音の言う3年の空白の中に、聞きたいことや引っかかることはいくつもあるけれど、俺が聞くようなことでも無いような気がして勇気が出ない。

大事なところで強くなれない俺は、結局心を押し込み、上部の会話を続けてしまうのだ。

「まあ期待はしないけど。何入ってんの?」

澪音が両手で持っていたスマホを覗き込み、ホーム画面を勝手にスクロールする。

特段抵抗することもなく、それを眺めている澪音に、相変わらずだなと思った。

「お、これやろーぜ」

目に留まったたのは、ふたりで戦えるパズルゲーム。

積み上げられて行くブロックを合わせて消すと、相手に妨害が入るようになっていて、昔から暇を見つけてはやっているゲームだった。

「いいじゃん!」

なんだか得意げな彼女に、俺は意外だなあと顔を見つめる。

「このゲームは結構やり込んだからね!」

俺の知る澪音は、飽き性でゲームをやり込むことなんてなかったはずだけれど。
転校先で友達ができていなかったのだろうか。確かに転校していた頃の友達の話は一切聞かないし。

また、心はざわざわと動き出し、心配になりながら彼女を見つめると、澪音はそんなこと露も知らずといった表情で、両手で真剣にパズルを組み解いていた。

まあ、今は元気そうだしいいか。

そう思い直して、俺もパズルを組み合わせていく。
考え事をしながら勧めた指先は、手加減など忘れ、いつも通りに素早く動き続けていた。
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