快晴の空に君の笑顔を探す
「なんで!?」

ゲームを初めて数分。
澪音は、俺の席に倒れ込み、駄々を捏ねていた。

「こんなに負け続けることある!?」

信じられないくらい秒殺で勝ってしまった数分前。

その現実が信じられない様子だった澪音に、何度も戦いを挑まれたものの結果は全て変わらなかった。

途中で手加減しようとしたのに、それはバレて「本気でやって」と怒るのだから仕方ない。
今回に関しては、決して俺が大人げないわけではない。

「よっわ」

項垂れる彼女が可愛くて、ついつい煽るような言葉が飛び出す。

澪音は、悔しそうにもう一度スタートボタンを押した。

「もう授業始まるけど」
「授業とか関係ないから」
「お前、本当に悪くなったな」

呆れながらも、真っ直ぐスマホを見つめる澪音に、俺は付き合うことにした。

まあ、俺だって、遅刻もさぼりもひとのこと言えたほどじゃないし。
口を出すような理由もない。

「おっ!調子いいんじゃない!?どう!?」
「おー、まあいんじゃね?」

沢山のパズルが一斉に消え、ぱあと顔を輝かせた澪音に俺は小さく笑う。
その後、少しの指先の動きで、その妨害を消し去った。
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