快晴の空に君の笑顔を探す

#14 残酷な温かさ

夏祭りの日から数日。

私は、平日の昼間にも関わらずベッドで寝込んでしまっていた。

学校は、あと2日で夏休み。
本当は少しだけでも顔を出して、最後に学校を楽しんで、それで、終わろうと思っていたのに。

動こうとしてくれない私の身体に抗うこともなく、ただベッドに横たわっていた。


旭陽と仲直りをして、仲良く一緒に過ごしたい。
旭陽への初恋の気持ちを、私の人生で最初で最後の尊い経験を、良い思い出にして持っていたい。

その願いは、信じられないくらい都合よく叶ってしまった。


旭陽の事を考えたら最低だけど、応えることはできなかったけど。
好きだった人に告白されるなんて、夢のような経験もできた。

私が決めたゴールはしっかりと達成したのに。

どうしてこんなにぽっかり穴が開いたみたいな気持ちになってしまったんだろう。

喪失感が拭えない。

やり切って、清々しい気持ちで、最期を迎えられると信じて疑わなかった私の心は、ふわふわと宙に彷徨っていた。
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