異母妹にウェディングドレスを汚されましたが、本当に大切なものには触ることも許しません。
 夜半、優月は魔物に襲われる夢を見て目を覚ました。

(いやああっ……!)

 魔物は隆司の顔だったり市太郎の顔だったりした。

(だれか、だれかたすけて……!)

 優月はソファから飛び起きた。周りを見回して、由紀也の部屋にいることに気づいて胸を撫で下ろした。

(由紀兄さんのそばにいってはダメかしら)

 寝室に向かえば由紀也は眠っていた。由紀也の寝顔に涙が出てきた。

(由紀兄さん、いつも助けてくれる人。由紀兄さんのそばは安心するわ……)
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