異母妹にウェディングドレスを汚されましたが、本当に大切なものには触ることも許しません。
 優月を包むウェディングドレスは、シンプルなデザインで、優月を引き立てていた。
 入籍が先になったが、いよいよその日、結婚式を挙げる。
 異母妹にドレスを奪われたことが遠い昔のようだった。
 花嫁を迎えに来た由紀也は、照れたように頬を染め、熱っぽい目で優月を見つめてきた。

「きれいだよ、優月」
「私、幸せよ」
「あのとき、俺、ひどく嬉しかった」
「何のこと?」
「俺は優月のものだって、勝手に触らないで、って。カッコよかった」

 優月は目を伏せた。

「独占欲が恥ずかしいわ。でも、わかったの、大事なもには触られるのも嫌だって」
「嬉しいよ、優月」

 花婿の目はますます熱っぽく花嫁を見つめた。


< 38 / 38 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:100

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

策略に堕ちた私
文野/著

総文字数/20,240

恋愛(純愛)34ページ

表紙を見る
表紙を見る
私の奴隷と、奴隷の私
文野/著

総文字数/5,107

恋愛(純愛)7ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop