生まれ変わるきっかけをくれたのは彼でした~元同級生からの甘い溺愛〜
同窓会が始まって一時間。
お酒も相まって、ますます賑やかになってきた。
櫻井先生の周りは相変わらずの人だかり。
私は端の席でぽつんと一人ご飯。
そもそも友人もいなかったのだ。ぼっちで過ごすしかない。
やっぱり来なければよかったかなぁ。でも先生に挨拶したいし…。
そう少し後悔し始めていた。
それにしてもご飯美味しいな、揚げ物ってなんでこんなに美味しいんだろう…。
櫻井先生と話す機会を窺いながら、私はひたすらに食べ続ける。
そこにわっと歓声が上がった。
ご飯に目を落としていた私は、反射的に顔を上げる。
目に飛び込んできたのは、一人の男性。
その周りにも人だかりができていた。
中心にいる男性は背が高く、端正な顔立ちで、びしっとスーツを着こなしている。
誰だろう…?こんな人クラスにいたっけ…?
入口付近で盛り上がっている男女をよそに、私はいまだ!、と櫻井先生に声を掛けた。
「先生」
櫻井先生は相変わらずの可愛らしい笑顔を浮かべる。
「佐藤さん?久しぶりだねぇ。なんだかすっかり大人っぽくなっちゃって!」
櫻井先生、覚えていてくれた…!
「先生、ご結婚おめでとうございます!」
私は櫻井先生に近況を報告したり、先生のお話を聞いたりした。
旦那さんは学生の頃の同級生とかで、同窓会で再会したとか。教職はまだ続けるつもりでいるとか。
櫻井先生はあの頃から全く変わらない、優しい先生のままだった。
先生に会えてよかった…同窓会に来た甲斐があった…!