生まれ変わるきっかけをくれたのは彼でした~元同級生からの甘い溺愛〜

「ふー、夜風が気持ちいい…」


 通学路の途中にある公園。

 私はそこに腰を下ろして星を見上げていた。

 近くにあるコンビニでホットスナックを買って、よく下校中にこの公園のベンチで食べていたっけ。


「あーあ、私って本当に変わらないな…」


 変わらないし、変われない。

 変わりたいと思うのに、私はずっとこのまま。

 先程の同窓会を思い出す。

 みんなすっかり大人になって、綺麗になっていた。 

 鳴海くんも、あんなにかっこよくなっちゃって。


「…そういえば鳴海くん、私に何を言いたかったんだろう…」


 まぁきっと、昔話とかだよね。図書委員一緒だったねー、とかそういう。

 でも、少しでも会えて嬉しかった…。


「なんか少し酔っちゃったのかも!お水でも買おうかな!」


 公園内の自販機に向かっていると、後ろから腕を掴まれた。

 びっくりして振り返ると、そこには息を切らした鳴海くんの姿があった。


「佐藤さんっ!」
「な、鳴海くん!?」
「先に帰っちゃったって聞いて、慌てて出てきた」
「え、どうして…?」
「話したかったから、また、佐藤さんと」
「え…」


 優しく笑った顔が、学生の頃の鳴海くんに重なった。

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