生まれ変わるきっかけをくれたのは彼でした~元同級生からの甘い溺愛〜

「…俺、高校生の頃のこと、ずっと後悔してたんだ」
「え…?」


 鳴海くんはゆっくりと話し始める。


「佐藤さんと俺、一緒に図書委員の当番だったこと、覚えてるかな?」
「もちろんだよ」


 ほっとした表情を見せる鳴海くん。


「あの頃の俺は、佐藤さんともっと仲良くなりたかったのに、全然話せなくて本当に情けないやつだった」


 鳴海くんも、私と同じように仲良くなりたいって思っていてくれたんだ…。嬉しい。


「委員会の当番が終わってしまって、佐藤さんとはなんの接点もなくなってしまって、教室で話すこともなくなってしまった。高校を卒業してからも、ずっと後悔していた。あの時、もっと佐藤さんと話せていたらって。俺に勇気があったらって」
「そう、だったんだ…」


 嬉しいな。そんな風に思ってくれている人なんて、きっと誰もいないと思っていた。


「俺は情けない自分を変えたかった。だから身体を鍛えたり、大学でも勉強を頑張った。いつかまた佐藤さんに会えた時に、この気持ちを伝えようって、そのために俺は変わるんだって」


 鳴海くんはそこまで言うと、私の目を見つめる。


「佐藤さん、あの頃の俺は言えなかったけど、今なら自信を持ってはっきり伝えられる」
「うん…?」

「佐藤さんが好きです。俺と付き合ってください」


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