生まれ変わるきっかけをくれたのは彼でした~元同級生からの甘い溺愛〜

 ぽけっとしている間に、鳴海くんがお風呂から出てきた。


「何か飲む?」
「あ、えっと…」


 水の入ったグラスを受け取って、喉に流し込む。

 なんだかやたらと喉が渇く気がする。お水を飲んだそばから乾いていく感じ。

 私が腰を降ろしているベッドの隣、同じように鳴海くんが並ぶ。


「佐藤さん、変わってなくて安心した。優しい佐藤さんのままだ」
「そう、かな…?鳴海くんも。見た目はすごく変わったけど、あの時話してた鳴海くんだよ。図書室でお喋りしてた時と、全然変わらなくてほっとした」


 なんだか気持ちが高校生の頃に戻ったみたいだ。

 鳴海くんが私の髪をさらっと撫でた。


「佐藤さん、すごく綺麗になったね。高校の頃からすごく可愛かったけど」
「え、そ、そうかな…」
「もっとよく見せて」


 そう言った鳴海くんの顔が私の顔の目と鼻の先にあって、気付けば唇が重なり合っていた。

 鳴海くんは私を愛おしそうに見つめる。


「やっと、佐藤さんに伝えられた。ずっと好きだった」


 そうしてまた優しいキスが落ちてくる。

 それだけで胸がいっぱいになってしまって、私は彼に身を任せてしまう。

 私達、もう大人なんだなぁ…。もう高校生じゃないんだ…。

 心が高校生の頃に戻ってはいても、私達は立派な社会人で、こういうことも抵抗なくできる歳になってしまった。

 鳴海くんは私の身体を優しくベッドに倒した。

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