生まれ変わるきっかけをくれたのは彼でした~元同級生からの甘い溺愛〜

 する、のかな…。私、初めてなんだけど…。

 どくどくと鼓動がうるさく感じる。

 熱を帯びた鳴海くんの目が、私を射抜く。


「触れてもいい?」


 鳴海くんの問い掛けに、私はこくこくと首を縦に振る。

 お風呂を出てから着ていたTシャツの上から、鳴海くんが私の身体に触れる。

 それがむず痒いというか、心地がいいというか、なんだかくすぐったくて、変な声を出してしまった。

 鳴海くんの手が服の上から身体の上を滑る。

 初めての感覚に、なんだか頭に甘い痺れが走る。

 首筋にチュッとキスを落とされて、私の身体はびくんと跳ねた。

 そして鳴海くんが私のTシャツの下に手を入れようとして、そこで私ははっとした。


「だ、だめっ!」
「え…?」


 私の声に驚いた鳴海くんは、ピタリと動きを止めた。

 私は一気に冷静さを取り戻していた。

 だめだめ!何してるの私!

 鳴海くんが何も言わないから、私はすっかり忘れていた。

 自分が、太っているということを。

 腕も足もぱんぱん。お腹なんて見られたら、生きていけない。

 鳴海くんにだけは、見られたくない……!!


「ごめん…。急すぎたよね」
「あ、そうじゃなくて…!私……」


 こんなに太っていてだらしない身体、好きな人に見られたくない。

 私がはっきり言えずにいると、鳴海くんは優しく私の頭を撫でた。


「無理させてごめん。今日はもう寝ようか」
「あ、うん……」


 言えなかった。

 たくさん気持ちをくれる鳴海くんに、私は自分の気持ちを隠してしまった。

 ごめん、ごめん鳴海くん…。


 でもやっぱり、こんな私なんかじゃ鳴海くんには釣り合わないよ…。


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