生まれ変わるきっかけをくれたのは彼でした~元同級生からの甘い溺愛〜
「「「カンパーイ!」」」
「乾杯…」
初めての合コンは、居酒屋さんにしてはちょっと高そうなお店だった。
目の前に並ぶ男性は四人。
四人が四人揃って高そうなスーツを着て、これまた高そうな腕時計をしていた。
対するこちらの女子メンバーは、それはもうかなり着飾っていた。
もちろん私を除く…。
いつ着替えたのか、先程の社内で見たスーツとは違う、胸元がぱっくりと開いたお洋服。
化粧も派手なくらいにしていて、美人さん達が更に輝きを増していた。
「へえ、清水ちゃんのお友達、みんなめっちゃ可愛いじゃん」
一人の男性が女性陣を順番に見て、そう発言する。
しかし最後に私を見た彼は、一瞬表情を固めて、まるで見なかったことにでもするかのように私から視線を外した。
うん…分かってたけどね。どうせそういう目で見られることは。
盛り上がる男女を余所に、私はご飯をもくもくと口に運んだ。
せっかく美味しいご飯が食べられるのだから、ご飯だけでもたっぷり食べて帰ろう。残したらもったいない。
期待していたわけではないけれど。
どうせこうなるだろうことも分かっていたのだけれど。
当然と言うべきか、男性陣は私に一切目もくれず、三人の女性を口説き続けている。