生まれ変わるきっかけをくれたのは彼でした~元同級生からの甘い溺愛〜
変わってない。鳴海くんは高校の頃から。
いつもすごく優しかった。
図書委員で私が重い本を抱えているとすぐにやって来て手伝ってくれた。
高いところの作業は率先してやってくれて、いつも私を気に掛けてくれていた。
私のことを唯一女の子扱いしてくれたのは、鳴海くんだけだった。
「こんな私でもいいのかな…」
私は私に自信が持てない。
こんな可愛くなくて、卑屈な私でも、鳴海くんは傍においてくれるの…?
鳴海くんはまた昔みたいに優しく微笑んだ。
「佐藤さんだから、好きなんだよ」
鳴海くんの言葉に胸がぎゅっと締め付けられた。
私も、私も鳴海くんのことがきっと好きだ。
学生の頃から、いいな、って思ったのは鳴海くんだけ。
はっきり言いたいけれど。
でも、彼に気持ちを伝えるのは、今の私じゃ難しかった。
「佐藤さんが俺を好きになってくれるように、佐藤さんのことたくさん甘やかすから、覚悟しておいて」
そう耳元で囁かれて、心拍数が一気に上がった気がする。
こうして私と鳴海くんは、正式にお付き合いを始めることになった。