生まれ変わるきっかけをくれたのは彼でした~元同級生からの甘い溺愛〜

 初デート当日。


「お待たせ!」


 なるべく体型が隠れるようなゆるっとしたワンピースを着てデートに臨んだ。


「佐藤さん」


 呼び掛けてくれる声はいつも優しくて穏やかだ。


「ワンピース可愛いね」
「あ、ありがとう…」


 鳴海くんは自然に私の手を握ると、歩き出した。

 こんな優しくて素敵な人が私の彼氏だなんて、未だに信じられないよ。

 街を歩く度、ちらちらと女性達が視線を向けているのが分かる。

 鳴海くん、絶対モテるはずなのに、本当に私なんかでよかったのかな…。

 ううん、だめだめ、鳴海くんの気持ちを疑うなんてそれこそ失礼だ。

 今はまだ可愛くない私だけど、鳴海くんの隣にいて恥ずかしくない人間にならなきゃ。

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