生まれ変わるきっかけをくれたのは彼でした~元同級生からの甘い溺愛〜

 映画館で映画を観るなんて久しぶりだった。

 手を繋いで観るなんて、そんな恋人らしいことをしたのも人生で初めて。

 お洒落なカフェでご飯を食べるのも、私は何一つしてこなかったんだなぁ。

 向かいに座る鳴海くんをちらっと見ながら、私はちまちまとパスタを食べた。

 私のリクエストで、最後にプラネタリウムに行った。

 楽器の生演奏と、アロマが炊かれていて、頭上には星空。

 とても心地よい空間だった。

 鳴海くんと手を繋ぎながら星を見上げて、私達が学生の頃から付き合えていたら、どんな感じだったのかな、なんてことを考えた。

 こうやって二人でプラネタリウムに来たり、水族館に行ってみたり、鳴海くんは本が好きだったから、大きい本屋さんなんかに行ったりして、そんなのんびりとしたデートを楽しんでいたのかもしれない。

 あの頃も同じような想像をしていたと思う。

 もし私が鳴海くんと付き合えたら……。

 でもそれは叶わなかった。

 だからこそ、今鳴海くんと一緒に叶えていきたい。

 あの頃二人でできなかった色んなことを。


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