生まれ変わるきっかけをくれたのは彼でした~元同級生からの甘い溺愛〜

 しばらくして、女性陣が立ち上がる。


「ちょっと化粧直しに行ってきます」
「私も」
「あ、私も一緒に」


 そうして三人が席を立つと、私と四人の男性が残された。

 しかしその男性たちも、慌てて席を立つ。


「お、俺少し酔っちゃったかな、風に当たってくるわ」
「お、俺も一服してくるかな」
「俺も…」
「俺も行く」


 黙々と食べ続ける私を余所に、男性陣もみな席を立ってしまった。


「…………」


 一人残された私も、お手洗いに行きたいと思い、席を立つ。

 女子トイレの前まで来ると楽しそうな笑い声が聞こえた。清水さんの声だ。


「今日はみんなほんっとありがと!最高の夜だよ!」
「しみちゃん、本気で狙いすぎ~」
「今日は絶対いい男捕まえる!」
「それにしても、しみちゃんが連れてきたあの女なに?ちょっと笑いそうになったんだけど~」


 え、私のこと……?


「分かる!なんの人?てか人?どこの小屋から逃げ出してきたの??」
「いやいや豚じゃないって!同僚だから!」


 きゃはははは、と甲高い笑い声が響く。


「でも連れてきて正解だったでしょ?あの豚のおかげで、私達超輝いて見えたんじゃない?」
「えー!そういうこと!?だから連れてきたの!?」
「しみちゃん性格悪っ!」
「ちょっとぉ、感謝してよぉ。あんたたちだってうまくいきそうなんだからさぁ!」

 女性陣の楽しそうな笑い声を背中に聞きながら、私は店をあとにした。

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