生まれ変わるきっかけをくれたのは彼でした~元同級生からの甘い溺愛〜

 鳴海くんを傷付けてしまった…。

 あれから電話やメッセージを入れてみたけれど、鳴海くんからの返事はなかった。

 鳴海くんはあんなに私に気持ちを伝えてくれていたのに、結局私は、私の気持ちを伝えられないままだった。

 痩せて自分に自信を持ってからはっきり伝えよう!そんなことを思っていたせいで、私の恋は終わってしまった。

 しかも好きな人を傷付けてしまうという、最悪の形で。

 今度こそ変わりたくて、自分なりに努力したけれど、なんの役にも立たなかったな…。

 エアロビ教室に通うのも大分習慣になって、少しずつ体型が変わってきた。

 それなのに、結局なんの意味もなかったのかな…。

 私は、ずっと変われないままなのかな…。



 ふと、鳴海くんとのデートを思い出す。

 鳴海くんはいつも私を気に掛けてくれていて、優しくしてくれた。

 学生の頃にできなかったデートがたくさんできて、私も鳴海くんも楽しかったんだ。

 私、もっと鳴海くんと一緒にいたい…。

 きっと今まで諦めていたこと、鳴海くんと一緒なら、できる気がする。



 いつもだったら何か一つでも躓くと、私はすぐに諦めてしまっていたと思う。

 だからダイエットは長続きしなかった。

 もう鳴海くんとは前のような関係に戻れなかったとしても。

 私は鳴海くんに伝えたいことがあるんだ。


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