生まれ変わるきっかけをくれたのは彼でした~元同級生からの甘い溺愛〜
「佐藤さん」
鳴海くんとのデートの日。
いつかと同じように清水さんに声を掛けられた。
「清水さん…」
この前は清水さんに押し切られてしまったけれど、私ははっきりと清水さんに説明した。
「清水さん、私、彼のことが大好きで本気で付き合ってます。だから、清水さんに紹介することはできません。ごめんなさい」
私が頭を下げると、清水さんは大きなため息をついた。
「もういいです、鳴海さんのことは。ていうかこの前盛大にフラれたし」
「え…?」
私と別れたあと、後を追ってきた清水さんを鳴海くんはきっぱり断ったらしい。
「佐藤さん以外考えられない、って言われました!」
「そ、そう…」
清水さんは少しイラっとしたように眉間に皺を寄せながら、
「まぁ仲良くやってくださいよ」
と投げやりに言った。
「え?」
「最近佐藤さん、綺麗になったし、まぁ努力してるみたいなんで、鳴海さんは譲ってあげます。もう一生合コンなんて呼んであげないから!」
そう吐き捨てるように言い置いて、清水さんはさっさと行ってしまった。
残された私は、ぽかんと口を開けてしまう。
「綺麗に、なった…?」
清水さんは確かにそう言っていた。
「美那、最近どんどん綺麗になってると思う。昔から綺麗だけどね」
鳴海くんはそう言って私に微笑んだ。
照れくさく思いながらも、彼の手を握って歩き出す。