生まれ変わるきっかけをくれたのは彼でした~元同級生からの甘い溺愛〜
うん、やっぱり私ってそういう役割だよね。
帰路に就きながら、私は一人反省する。
なんで合コンなんて行っちゃったんだろ。どうしてほいほいついて行っちゃったかなぁ。
私なんか、女の子としてカウントしてくれているはずがないのに…。分かっていたはずなのに。
お店のガラスに映る自分の姿を眺める。
佐藤 美那、25歳。しがない会社員。
好きなことは食べること、寝ること、スマホゲーム。
そんな私の身体は、ぽっちゃり……いや、相当太っていた。
窓ガラスに映る身体はどこもぱんぱんで、脚なんて大根何本分になるだろうか。
小学生の頃から人よりも何倍も食べ、気付けば同い年の女の子たちよりもビッグサイズに育っていた。
この体型のせいでもちろん彼氏はいない。恋人がいたことなんて人生で一度もない。
所謂、年齢=彼氏いない歴、ってやつだ。
初恋はとうに過ぎたけれど、当然実るはずもなかった。
……全部、全部この身体が悪いんだ…。
私の恋愛がうまくいかないのも、周りから馬鹿にされるのも、全部この体型のせい…!
「痩せたい…細くなりたいよ…」
そう願い続けて、ダイエットもしたことがあるけれど、全く長続きしなかった。
食べることが大好きな私が、食べることを止められるはずがなかった。
結局文句ばかり言って、なんの成果もあげられない、甘ったれの自分に嫌気がさすだけだった。
私はきっと一生太ったまま。
恋愛も出来ず、一人孤独に死んでいくんだ…。
もう何もかも諦めていた。
痩せることも、人から馬鹿にされることも、人並みに恋することも。
私の人生なんて、きっとこんなもんだ。