生まれ変わるきっかけをくれたのは彼でした~元同級生からの甘い溺愛〜
「うーん……」
私は二本目の缶ビールを開けながら唸った。
櫻井先生には会いたい、けれどクラスメイトには会いたくない。
「…よし!コインで決めよう!」
私は財布から10円玉を取り出し、コイントスで決めることにした。
なんだかギャンブラーみたいな決め方だけれど、こうでもしないと永遠に悩んで決められない。ここは潔くコインを投げる。
きらっと光って宙を舞った10円玉を、手の甲でぱしっと受け止める。
「平等院鳳凰堂が出たら、同窓会に行く!」
私はそう宣言して重ねていた手をどけた。
結果は、平等院鳳凰堂だった。
「うっ…」
自分で決めたことだというのに、怖気づくのは私のよくないところである。
「い、行くぞ!同窓会!」
私はハガキの参加の文字に、丸をつけた。