小林、藝大行くってよ
この藝祭では、ぎょーさん学ぶことがあるはずやで。おれは、それを精一杯吸収し尽くしたい。御輿づくりを経験できるんは、今年だけやしな。
てなわけで、翌日。おれはさっそく、吉鶴に御輿隊の手伝いについて相談した。
「もちろん、オッケーだよ! こっちは小林くんのおかげで、かなり目途がついたからね」
おれのおかげて……キュン!
さすが隊長を務めるだけあって、吉鶴は人をやる気にさせるんが上手いわ。見た目は地味なんやけど、めちゃくちゃ好感度高いわ。せやけど、すきぴがおるんよな……はぁ。
とにかく、おれと数人の法被隊員が、次の日から御輿隊の手伝いへと派遣されることになった。
「あー、一佐くんだぁー」
御輿隊の作業場所へ行くと、ヨネがおった。どうやら、出店隊からも手伝いが出とるらしいな。
「ヨネ、出店隊のほうは順調なんか?」
「うんーほとんどオッケーだよー! コーヒー豆も、いい感じのものを手に入れたしー」
「そうかぁ。おれも飲みたいなぁ」
「もーちろん、いつもお世話になっている人には、ご馳走するよぉー!」
ほんま、ヨネはええやっちゃ。せやけど、ええヤツには早々にすきぴができてまうんやな。くすん。
お、浅尾っちもおる……って、髪型がちゃう! いままでのソフトリーゼントから、左半分を大胆に刈り上げたツーブロック&ロングフリンジヘアってやつになっとるやん! か、かっこええッ!
あ、ちなみにおれがヘアスタイルに詳しいのは、姉やんが美容師やっとるからやで。
フリンジは紐を垂らすっちゅー意味で、長い紐を垂らしたような髪型がロングフリンジヘアや。浅尾っちは頭の中心部分までバリカンが入っとって、ゆるいパーマがかかった長めトップを右側に垂らしとる。色は少し暗めのシルバーやし、なんやめっちゃ個性的やのにエロ……色気がありまくりやん。
「浅尾っちぃー!」
おれは思わず、浅尾っちに駆け寄った。そしてハグをしようとしたところ、予想通りかわされる。おれに視線も向けてくれへん……いけずぅ……。
せやけど、おれはめげない男や。スッポンのごとく、浅尾っちにまとわりついた。
「髪型かっこええなぁ! めっちゃええわぁ! よっ、伊達男ッ! 藝大抱かれたい男ナンバーワン!」
「いいなぁ、浅尾はそういう髪型が似合って」
おれがシカトされ続けとると、後ろからヒデがゆるっと現れた。すると浅尾っちは、すぐそちらへ視線を向ける。相変わらずヒデのことは無視せえへんな。いいもん、いいもん……。
「お前も美容室くらい行けよ、長岡」
「だって美容室って、やたら時間とお金がかかるじゃないか。俺は近くの理容室で十分だよ」
「それなら、せめてセンスのいい店を選べ」
なんちゅーか、この2人の関係は特殊な感じや。破廉恥な意味やないで。仲良しと言われたら首を捻るが、お互いを認めとるし、多くを語らんでも通じ合うようなものを感じる。高校3年間で、それぞれの絵をぎょーさん見てきたからなのかもしれへんな。うらやまC!
てなわけで、翌日。おれはさっそく、吉鶴に御輿隊の手伝いについて相談した。
「もちろん、オッケーだよ! こっちは小林くんのおかげで、かなり目途がついたからね」
おれのおかげて……キュン!
さすが隊長を務めるだけあって、吉鶴は人をやる気にさせるんが上手いわ。見た目は地味なんやけど、めちゃくちゃ好感度高いわ。せやけど、すきぴがおるんよな……はぁ。
とにかく、おれと数人の法被隊員が、次の日から御輿隊の手伝いへと派遣されることになった。
「あー、一佐くんだぁー」
御輿隊の作業場所へ行くと、ヨネがおった。どうやら、出店隊からも手伝いが出とるらしいな。
「ヨネ、出店隊のほうは順調なんか?」
「うんーほとんどオッケーだよー! コーヒー豆も、いい感じのものを手に入れたしー」
「そうかぁ。おれも飲みたいなぁ」
「もーちろん、いつもお世話になっている人には、ご馳走するよぉー!」
ほんま、ヨネはええやっちゃ。せやけど、ええヤツには早々にすきぴができてまうんやな。くすん。
お、浅尾っちもおる……って、髪型がちゃう! いままでのソフトリーゼントから、左半分を大胆に刈り上げたツーブロック&ロングフリンジヘアってやつになっとるやん! か、かっこええッ!
あ、ちなみにおれがヘアスタイルに詳しいのは、姉やんが美容師やっとるからやで。
フリンジは紐を垂らすっちゅー意味で、長い紐を垂らしたような髪型がロングフリンジヘアや。浅尾っちは頭の中心部分までバリカンが入っとって、ゆるいパーマがかかった長めトップを右側に垂らしとる。色は少し暗めのシルバーやし、なんやめっちゃ個性的やのにエロ……色気がありまくりやん。
「浅尾っちぃー!」
おれは思わず、浅尾っちに駆け寄った。そしてハグをしようとしたところ、予想通りかわされる。おれに視線も向けてくれへん……いけずぅ……。
せやけど、おれはめげない男や。スッポンのごとく、浅尾っちにまとわりついた。
「髪型かっこええなぁ! めっちゃええわぁ! よっ、伊達男ッ! 藝大抱かれたい男ナンバーワン!」
「いいなぁ、浅尾はそういう髪型が似合って」
おれがシカトされ続けとると、後ろからヒデがゆるっと現れた。すると浅尾っちは、すぐそちらへ視線を向ける。相変わらずヒデのことは無視せえへんな。いいもん、いいもん……。
「お前も美容室くらい行けよ、長岡」
「だって美容室って、やたら時間とお金がかかるじゃないか。俺は近くの理容室で十分だよ」
「それなら、せめてセンスのいい店を選べ」
なんちゅーか、この2人の関係は特殊な感じや。破廉恥な意味やないで。仲良しと言われたら首を捻るが、お互いを認めとるし、多くを語らんでも通じ合うようなものを感じる。高校3年間で、それぞれの絵をぎょーさん見てきたからなのかもしれへんな。うらやまC!