大好きな幼なじみと秘密の関係はじめます
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「あんた、怖くないの?」
2年3組。
そう書かれた教室に入ると、先に登校していたらしい黒髪ポニーテールの彼女──小林樹里が不審そうな顔で出迎えてくれた。
「なに?」
と首を傾げた私だけど、彼女の視線を見てすぐにわかった。
「あー、彗のこと?」
「そーそー」
私たちが見つめる先は、窓から見える廊下。
で、友達3人と喋ってる、彗。
彗は2組だから、残念ながら私とは別のクラスなんだよね。
「市ヶ谷くんってさ、なんか畏れ多くて近寄れない感じがするのよねー」
「なにそれ、またその話ー?」
樹里とは高一からの付き合いだけど、今でも私と彗が一緒に登校してることが信じられないんだって。