大好きな幼なじみと秘密の関係はじめます
「おーい、みなみー」
「へ?」
呼ばれてそっちを見ると、廊下から樹里と美月が手招きをしていた。
「ねえ、まさかとは思うけど……市ヶ谷って」
「そうなの? そういうことなのみなみちゃん!?」
あー……その様子じゃ、二人とも気づいたのね。
「……うん。そのまさかなのよ」
「「やっぱり!?」」
宙くんは彗のお兄さんで、私の幼なじみ。
そう言うと、二人は目を丸くした。
「似てる……といえばそうだけど、兄弟で全然雰囲気違うのね」
「市ヶ谷くんがクールな騎士様だったら、先生は爽やか王子様って感じかしら」
「わかる。しっかし、ベクトルは違えどモテモテ兄弟なことには変わりないわね。そしてその幼なじみやってるアンタ、強っ」
「……自分でもそう思います」
こういう時身をもって知る。
こんなイケメン兄弟と幼なじみだなんて、前世でどれだけ徳を積んだんだろうって。