大好きな幼なじみと秘密の関係はじめます
絶対優勝です!





教育実習生として宙くんがうちのクラスにやってきてから、早くも3日が過ぎた。

初めは慣れなかったその光景が、ほんの少し日常に変わってきた、そんな放課後。


「いけー、樹里! その調子〜!」


今日も私は、拳を天に突き上げ応援に熱を上げていた。

生徒たちで賑わうグラウンド。

天気にも恵まれ、吹く風が気持ちいい。



「私も運動神経抜群に生まれたかったわ〜」


んーっと背伸びをする私の隣で小さくため息をついたのは、美月だ。

家庭科部は週一ということで、今日はお休みみたい。

そして、

「ねー。一度でいいから樹里みたいにきゃーって黄色い声援を浴びてみたかったものだよ」


そう言って、うんうんと誇張気味に頷くのは、私。


それくらいの運動神経があれば、体育の成績だっていいものが貰えるに決まってるもんね。

頼みの綱であった体育祭のカップル対抗戦は、彗に断られてしまったわけだし。

悲しいけどもう、自力でなんとかするしかないんだ。


「あっ」

< 125 / 270 >

この作品をシェア

pagetop