大好きな幼なじみと秘密の関係はじめます
「……ん、緊張してんの?」
「少し、だけ」
彗と目が合ったから、なんて言えない。
「大丈夫だよ」
ポスッと頭に乗せられた手が、ポンポンと軽やかに2回跳ねた。
いつもより優しい瞳に溶けちゃいそうになる。
明らかに心拍数は上がってるのに、なんでなんだろう。不思議と心が落ち着くのは。
「……うん」
……彗のばか。
そんな顔向けられたら、好きが止まらなくなるじゃんか。
「それでは、第1グループの皆さんはこちらへ」
第1グループの私と彗は、誘導に従いスタートラインに並んだ。
出場者は私たちを含めて10組いる。
5組ずつの2グループに分かれて競技を行い、得点は全組のタイムによる順位で決まるポイント制なんだそう。
「痛くない?」
「うん、大丈夫」
最初の種目は二人三脚。
ということで、彗が私と自分の足をバンドで固定してくれたんだけど……。