大好きな幼なじみと秘密の関係はじめます


***



「おはよ、みなみ」

「おはよー!」


靴を履き替えていると声をかけてきたのは、樹里。

こんなところで会うなんて珍しいなー、なんて考えてたら。


「あれ? 今日は一緒じゃないの?」


さすが樹里。早くも気づいたらしい。

不思議そうに言った彼女に、私は苦笑いを浮かべる。


「……ちょっと、遅れるんだって」


あの時見たメッセージには、こう書いてあったんだ。


【悪い、先行ってて】と。


すぐに【どうしたの?】って訊いたのに、未だに既読もつかないし。

ほんと彗はよくわからない。

せっかく、今日会ったら〝あのこと〟を謝ろうと思ってたのになあ。

このまま気まずくなるのも嫌だし……。

って、もしかして!


彗がこなかったのって、私と顔を合わせるのが嫌だったから……?

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