大好きな幼なじみと秘密の関係はじめます


「うんっ」


約束するね、宙くん。

絶対に。

だから私のこと、見守ってて。



***



──そうして時は流れ、今は2時間目の休み時間。


「失礼しま〜す」


コンコン、とノックしてドアをスライドする。

やってきたのは、保健室だ。


……というのも、授業終わり。

そろそろ彗来てるよね〜とすぐさま覗いた2組にその姿はなく。


〝しかたない。もう帰るか〟


なんて諦めかけたその時、こっちに気づいた天使が駆け寄って教えてくれたんだ。


『彗なら保健室にいるよ〜』


って。


もしかして体調不良?

居場所を聞いた時はびっくりしたけど、天使──牧くんが『どうせまたサボりでしょ』って笑ってたから、多分大丈夫……だよね?



……それにしても。


先生いないのかな?

椅子にその姿が見当たらない。


とはいえ、ここまでやってきたわけだし。


「彗〜いるー?」


とりあえず、中に足を踏み入れてみることにした。


……あ。

早速目に入ったのは、カーテンが閉まったベッド。

その近くには、市ヶ谷の文字が書かれた上履きが置かれてある。



……いた〜!

私は確信して、そーっとそのカーテンを開けた。

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