大好きな幼なじみと秘密の関係はじめます


そういうわけで、一緒に選びに行こうってことになって。

今こうしてショッピングモールまでの道を並んで歩いているわけだけど。


「宙くんとこういうの、久しぶりだね」

「たしかに。何年ぶりだろうね」


なんだかちょっと不思議な感じがする。

成長すると生活環境も何もかもが変わって、ゆっくりと話すことすら難しくなってたし。

宙くんと、彗と、私。

3人揃うことは、もっともっと難しくなった。

小さい頃は、そんなの当然のことだと思ってたのにね。


いつかまた。

昔みたいに3人で集まる時って来るのかな……。


「ん?」

「っ! ううん、なんでも」


いつの間にか宙くんの顔を見つめてしまっていた。

私は慌ててごまかすようにそう言って笑った。



***



「今日は本当ありがとね、宙くん。すっごく助かりました!」


結局、夕方くらいまでショッピングモールを満喫してしまった。

ちゃんと目的のものも買うことができ、今は駅から家に帰る途中の道。

朝は彗にバレて怪しまれないように別々に駅まで来たけど、どうやら今佐渡くんたちと出かけてるみたい。

ってことで、帰りは宙くんと一緒だ。

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