大好きな幼なじみと秘密の関係はじめます


「……ったく。危なっかしいやつ」

「あ、ありがとう」


転ぶ寸前で、なんとか彗が助けてくれたみたい。

歩きにくい浴衣に慣れない下駄を履いてることも忘れて走っちゃうとは、ちょっと恥ずかしい。


でも、それだけ心が弾んでるんだもん。

しかたないよね。


今日は、7月7日。

──待ちに待った、七夕祭り当日なんだから。



そんなわけで、家の前で待ち合わせした私たち。

今日はお家から一緒に会場まで向かう。


『ごめん、待った?』

『……ううん。今来たところ』


とかいう少女漫画展開に憧れて駅で集合したのがちょっぴり懐かしいや。

あの時は練習だったけど……今日は彗との正真証銘のデート。


ふふふっ。

まさか本当にこんな日が来るなんてね。

嬉しいなぁ。

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