大好きな幼なじみと秘密の関係はじめます


「ねぇ、彗。どう?」


と言って見せたのは、この前茉莉也さんから頂いた浴衣。

白地に水色と青の花が散りばめられた爽やかなデザインのそれは、私好みのデザインだった。


髪型は定番のお団子にして、髪飾りは浴衣にあわせて青っぽい色を選んでみた。

ちなみに右手に持ったかごバッグには、彗とお揃いのストラップを付けている。


「……さすが茉莉也さん。いいセンスしてんね」

「ちょっ、なにそれ! たしかにそうだけど──」

「嘘だよ。可愛い、似合ってる」

「……っ」


もーーーーっ!

ほんっと、彗ったらなんなの。

冷たいと思ったら急にそんなこと言ってくるなんて!


「どうした?」


そうやって視線の先でにやりと悪戯な笑みを浮かべる彼は、この前の撮影で着ていたそれをこれまた完璧に着こなしている。

髪型は撮影の時と違ってて、今日は前髪がおりている。

緩いウェーブかかった抜け感のある雰囲気が、彗の魅力を最大限に引き出して見える。


……といっても、結局なんでも似合っちゃう彗は、文句なしにかっこいいんだよね。

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