大好きな幼なじみと秘密の関係はじめます
「おや〜? 黙りってことは、ホントに──」
「ああ、そういうことだから。じゃーなお前ら。デートの邪魔しないでね?」
えっ。
「ひぇー、マジかよ! 二人ともお幸せに〜」
えーーっ!?
待って、うそ。
彗が私の肩をグイッと寄せてきたと思ったら、ニヤッと不敵な笑みを浮かべながらひらひらと佐渡くんたちに手を振って……。
「行くぞみなみ」
「う、うんっ」
──ドクン、ドクン。
「えーうそでしょ彗! この前うちらには〝誰とも付き合う気ない〟って言ってきたじゃん」
「そーだよ、彗ひどーい」
やばい。
心臓がバクバクいってる。
女の子たちの声を背中に浴びながらどんどんと私の手を引いて歩いていく彗に、今はなんとかついていくことしかできない。
「ねぇ、あんなこと言っちゃってよかったの?」
「なにが」
「だって、お友達にまで嘘、つかなくても……」
はっきり〝デート〟って言ってくれたのは正直嬉しかった。
他の人にも私たちの関係を知ってもらうっていう作戦も覚えてる。
だけど……友達を騙すことになっちゃうのに、それでもいいのかなって。