大好きな幼なじみと秘密の関係はじめます


その後は……どうなったっけ。

宙くんが『んー、俺は執事とかでいいよ』みたいに言ってたことまでは覚えてるけど。


とにかく、あの後私たちが〝お姫さまごっこ〟をすることはなくなって──。



「あ、彗!」


うーんと考えていると、ガチャリと開いたドアから眠たそうな人影が現れた。


「おはよ!」


私はにっこり笑いながら、きゅうううんと見慣れてるはずの姿にドキドキしてしまう。

なんでって、理由は簡単。


「そうだ。この間はありがとう」


この間の──つい2日前のことを、考えちゃうせいだ。


……信じられないけど私、彗とデートしちゃったんだよね。


久しぶりに行ったプラネタリウムは、普通に遊びに行くのとは全然気持ちが違ってて。

そわそわ、ドキドキ、きゅんきゅん、みたいな?

上手く言えないけど、ずっと宙に浮いた感覚だった。
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