遥か彼方の空の向こうに
僕の席は窓側の後ろから３番目。
前の奴は、なんと言うか、茶髪に赤のメッシュにピアスのいかにもチャラい感じがした。
後ろは…まぁ少しマジメ系な奴だ。
隣の子はどんな子だろう、と少しワクワクしていた。
隣の子が、座った時僕はその子を見た。

その子は僕を見て笑った。
僕は一目惚れだった。
サラサラの短い黒髪に甘いフルーツの様な香水の匂い、淡いピンク色の頬に大きな瞳。
それに一番、目を惹いたのは林檎のような赤い唇だった。
僕はそれ以上見れなくて目を反らした。顔が赤くなったのが分かったんだ。

しばらくすると、前の奴が話しかけてきた。
「初めまして!!俺、一樹(ｲﾂｷ)。よろしくなっ☆」
「あ…あぁ、おれ優利!よろしくっ☆」
「優利か〜。よし!今日から俺が優利の友達第一号だ!!わすれんなよっ☆」
「おぅ!!一樹もなっ☆」まさかこんなあっさり友達が出来るとは…。
でも一樹は悪いような奴ではないかな…。

しばらくすると、担任の先生が教室に入ってきた。
「初めまして。私はこのクラスの担任の糸川です。よろしくね。」
糸川先生は優しそうな女の先生だった。
僕はもっとこう…厳しそうな先生を想像してたから、とても安心した。

こんなにも楽しそうな高校生活があるのだと僕は思わなかった。
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