遥か彼方の空の向こうに
僕達は先に屋上に行った。
勿論、午後の授業はサボりだ。
意外と僕達の担任は分かってくれて、今日だけ大目に見てくれるそうだ。
先生……さすがにマズいよ。


「さて、ここらで、作戦タァーイムー!!!!!」
「はぁ!!??ちょっ、嬉しいけど恥ずぃ!」
「あは☆優利くん純情♪」
「うるさい!!」

「それで一樹、作戦って何??ただ告白するだけでしょ??」
「そーだな、俺らは頑張って、としか言えん。」
「???」
僕は理解が出来なかった。
「…だから、今回の作戦は、《落ち着かせる》!!ということで、緊張するだろうから、放課後まで、寝る!!」
ボフッ

そう言って一樹は寝転がった。
夜里もしばらくしてから寝転がった。
僕はそんな2人を見て、安心して寝転がった。
風が冷たい。
でも、それでいて心地がよい。
空は見事な快晴。
雲が透き通っていて綺麗だった。

そんな二人を見て、僕はつい笑ってしまったんだ。
「優利!!何笑ってんだよ!!」
「しょーがないんじゃない??あまりにも一樹がしょぼいから☆」
「は!!??夜里ぃ〜、ひどい!!俺泣くぞ!!!」
「あはははっ!!!!!」
「優利も笑うな!!!くそぅ、俺マジで泣く!!!」
僕はこんな友達が出来て良かったと思う。
中学まで、友達と行っても、こんなにも嬉し泣きをしそうなぐらいの温かい友達はいなかったから。

嬉し泣きしてるってバレると恥ずかしいから、僕は笑い泣きでごまかした。

そのあと、こんなやりとりをしながら、僕は空を見ながら寝た。
辛いこと、悲しいことが、この時間だけ忘れられた。

僕は、澄んだ空を見ながら、幸せなこの時間を過ごした。
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