遥か彼方の空の向こうに
夕日
放課後、僕は屋上で夕日を見ていた。
そこに、
キィっと扉が開く音が聞こえた。

璃依だ。
僕はまた夕日の方を向いた。
璃依も少し離れたとこれで夕日を見ていた。
たまにちらりと僕を見てくる。
僕は耐えきれなくなって、
「なに??」
強い口調で言った。

「あ…いえ、なんでもないです…。ただ、あなたの髪が夕日に当たって綺麗だったから…。」
「あぁ…そう言う君のも綺麗なんじゃない??」
「あ…ありがとう。あっ、あの…良かったら名前……」
「優利。天沢優利。てか、敬語やめて。一応タメなんだしさ。」
「は…うん。私のことは璃依でいいよ。」
「そーするよ。俺は優利でいい。くん付けは璃依の自由。」
「あ…じゃあ、優利くんで。」
これが僕と璃依の出会いだった。

でもこのとき、僕は気づかなかったんだ。
璃依の教室で見たあの怯えの理由。
なぜ、僕に名前を聞いたのか…………
そして、僕と璃依の接点。
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