遥か彼方の空の向こうに
「!!?…あ……」
「璃依……。」
「い今帰るとこ??」
「あぁ」
「そっか、じゃあね…」
そう言って僕の横を通り過ぎる。

そのとき、僕の視界に信じられない光景が見えた。
僕はすぐさま璃依の腕を掴んだ。
「!!!?優利くん???」
そのまま屋上のフェンス近くまで引っ張っていく。
「ちょっ、優利くん!!!??どうしたの???は離してっ!!!お願い!!!!!!」
「あ、ごめん…」
パッと手を離す。
「ううん。こっちこそ大声だして……。」

少しの沈黙。
それを破ったのが……

「気になる??私の尋常じゃない怯えの理由……。」
「うん。それに…………その腕。」
「!!??……見ちゃった???」
「ごめん。見るつもりはなかったんだけど……」
「…………」
「なんで"リスカ"したの??」
「…………」
黙りこむ璃依。
そして、………
「……過去にね…。私の……人…生は、不幸…ばかり…だったから」
璃依の声が震えてる。
そして、ゆっくりと話し始めた。
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