アラ還も、恋をするんです。

今日はイタリアンのクリスマスディナー。
接待で使われそうでないこのお店は、先生が探してくれたと思うと嬉しくなる。

少しずつ、お互いのことを知ってきた。
お互いワインは甘めの白が好き。
でも私は炭酸が苦手だけれども先生は炭酸が好き。
「この草、食えるのか?」とか、
嗜好や趣味など少しずつ。

陽子先生の話はかなり搔い摘んで話してくれた。
でも、もうなるべく合わないようにするからと。
「友達のくせに、やきもち焼いてごめん」
恥ずかしすぎる。
「友達? 友達以上なんでしょ。
それにやきもちは、…ん。」
先生、耳まで真っ赤だよ。
「お互い初めて恋した学生みたい」
お酒の力を借りて言ってみた。
「でも学生より財力あるし、学生ほどではないけれど年の割にはそこそこ体力はある。自由な時間もあるから最強じゃない?」
先生までちょっとお酒が入って、いつもよりお喋りになってる。

今週いっぱいで長期のお休み、9連休。
先生も一緒みたい。
年末年始は休みたい人が多いと思ってたけど、手当てが多いから出勤希望者が多いとか。

デザートが出てきた時、
「今日、来る?」って、
平日だから、明日仕事だからまたの機会にと。
娘も帰ってくるし、やっぱり仕事は家から行きたいし。
先生の耳の色から赤みが消えていった。

あー、おなかいっぱい。
「今日の代わりに今週末、お邪魔していいですか?」
勇気を出して、聞いてみた。
「ん。」
再び先生の耳が赤くなってきた。


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