アラ還も、恋をするんです。
匠先生の年末の気持ち
午後からの仕事は事務処理で良かった。
とにかく早く待ち合わせ場所に行かないと。
余計なことは考えないでほしい。
考えているのは自分の方か…。

約束の時間なんて待ってられない。
少しでも早く仕事を片付けて、待ち合わせ場所に行かないと。

いつも待たせていることを反省しながら、待つという気持ちを味わう。
いつもこんな気持ちだったんだ。
今、何処にいるんだろう。

だんだん来ないんじゃないかと心配になる。

来た。
約束の時間より早いのに、来ないんじゃないかと心配になっていた。
顔を見て、ほっとして抱きしめた。
自分らしくないのはしょうがない。
この歳になって、本能で動いてしまった。

「来てくれたんだ」

「そりゃ約束してたんだし来ますよ」

そりゃそうか。
当たり前のことが嬉しかった。


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