アラ還も、恋をするんです。
部屋に戻って、娘達も合流した。

何か話があるような。

克君は半端ない緊張の中、娘は目の前で絞りたてモンブランに夢中になっていた。
「前きた時のクレープシュゼットも美味しかったけど、これも美味しそう」
テンション上がりっぱなしの娘に、バトラーの方は「お持ちしましょうか」と。
いやいやそんなに食べられないし。

克君はそれどころではなく、紗依をとめていた。
たまに飛び出してしまう娘をちゃんと軌道修正してくれるんだ。

サーブが終わってバトラーが部屋から出ると、
「紗依さんとの結婚の許しを戴けませんか」
克君は、よほど緊張していたのか前置きもなく突然言った。

「もう大人なんだし、許すも許さないもないよ。
自分の行動に責任持って、好きにすれば良い」
二人の幸せいっぱいの顔を見て、匠先生がシャンパンをオーダーしてくれた。
もちろん私には炭酸の入ってないサングリアも一緒に。


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