アラ還も、恋をするんです。
あー、もうじきクリスマス。
どうするのか聞いてみた。
「24日って、予定ありますか?」
今年は火曜日、私は休みだけれども平日だし、先生は仕事かも。
「ん、夜ご飯は取ってある」
へ?
予約済?
聞かないと答えない。
「だめ?」
いや、ダメじゃないけど。
「もしかして『ドレスコード』とかないですよね?」
「…、たぶん」
これは詳しく聞かなければ。

夕飯の後片付けてる間に先にお風呂に入ってもらい、私は後から入って、上がれば髪を乾かしてもらう。
何も言わず、ドライヤーを持ってやってくる。
甘やかされのルーティン。

「年末年始のお休みの予定はどう過ごされますか?」
喪中だから初詣は行かないけれど、休みはあるから少しくらいは会えるかなぁと思っていたら、
「この前の、伊勢志摩のホテル、取ってある」
えっ、聞いてないし、
「一日から二泊、紗依ちゃん達の分もとりあえず取ってあるけど」
ちなみに紗依は私の娘。
聞いてないし、紗依達の分って、達の分って…。

これからは何でも話そうって言ってたけど、隠しているわけではない。
聞けば応えてくれるけど、出来ればもっと話してほしい。
もう少しおしゃべりになってほしい。
「ん?」

あー、でもこの『ん?』とか『ん。』とか、いろんなバージョンの『ん』好きなんだなぁ。


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