アラ還も、恋をするんです。
ぺこりとお辞儀して、「知り合い?」って聞いてきた。
「昔、働いてた時の先輩の小林さん。
で、こちらが、お友達の五十嵐さん」
ぴたっとくっついてきて、「ども」と、ひと言。

「そっか、お友達ね。
じゃ、また名古屋来るとき連絡するね
由佳、元気でね」
新幹線の時間があるみたいで、頭をくしゃくしゃ撫でて出て行った。

小林さんが出て行った後も、何も話さない。
怒った顔して、スマホをいじってる。
何も悪いことしてないのに、なんだか怒られてる気分。
言いたいことがあれば言えば良いのに。
紗依達が来るまで、無言は続いた。


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