アラ還も、恋をするんです。
とりあえず、家に帰って聞いてみよう。
年末年始の予定があるのかどうかと。

「年末年始の予定って、ある?」
隠すつもりはないだろうけど、言いにくそうに、
「年末に一泊、温泉に行こうかと思ってて…」
やっぱり私、気を使われてる?
母を置いていくのが心配なのか、
情けない母だなぁ。
子供じゃないし、夜一人でも大丈夫なんだから。
「行っておいで。
で、一日から二泊、この前の伊勢志摩のホテル行かない?
匠先生、二部屋予約が取れたって。
お友だちも一緒にって」
遠慮気味だった娘の顔が驚いている。
しかも彼氏も誘ってって、
私だって緊張する。
紹介どころか、玄関まで送って貰ってるのをちらっと見たことがあるだけだし。
前回の旅行で、環先生(匠先生の姪)と歳が近い事もあり親しくなったようで、なんとなく匠先生の事は聞いて、察しているようではあるが…。
驚いているけど、何とか、
「聞いてみる」…、と。

ゆっくり考えてください。
あまり時間はないけれど。


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