Bitter Love〜無愛想な上司を助けたら、なぜか溺愛生活始まりました〜
1、無愛想な上司


「お疲れ様でした〜」



時刻は午前10時30分。


私、は眠い目をこすりながらタイムカードを切った。更衣室で着替えを済まし、職場である病院を後にする。



「ふわぁ……朝日が、眩し……」



自動ドアから外に出ると既に空に登りきった太陽が眩しく輝いていて。思わず目を細める。


病院の受付が近いこの入口は、たくさんの人でごった返していた。



「あれー、陽葵?今日夜勤明けだっけ?」



ぼーっとしながら病院の敷地内を歩いていると、向こうから同僚で友達の鏑木華(かぶらぎはな)がトートバッグを肩に提げながら歩いてきた。



「おはよう〜。そうなの。今日夜勤明けだよ。華は今から?」


「そうそう。遅番だよ。……夜勤明けにしては遅い退勤ね。また残業?」


「あー、うん。朝方急患の人がの入院が決まってね。バタバタしてた」



華は私の隣に並ぶと、心配そうに顔を覗き込む。
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