Bitter Love〜無愛想な上司を助けたら、なぜか溺愛生活始まりました〜

なんて、熱があって大人しいのをいいことに変な方向に考えてしまう。



「嫌です。少し看病してから帰りますよ。元々明日も予定無い日だし。あ、お台所借りますねー。ちょっとお粥くらい……」


「帰れって言ってんだろ!」


「きゃあ!……先生?」



お粥でも作ってから帰ろうと立ち上がった時。いきなり視界が反転して、ドサッとソファに転ぶ。


いつの間にか先生に腕を掴まれ、ソファに押し倒されていた。



「はぁ、はぁ……お前、この状況……理解、してんのか?」


「……へ?先生、大丈夫……」



熱が上がったせいか、呼吸が荒くなる先生。言葉が途切れ途切れで、何を言っているのかあまりよく分からない。


それよりも先生の体調の心配が勝っていて、それどころじゃなかった。


だけど……心臓はドキドキと騒がしく脈打ち、体が勝手に熱くなる。


……なんで、こんなことになってるの……?


ようやく状況を理解した私は、先生から視線を外した。
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